新しい価値を創造できないと志は長くは続かない
純国産の検索エンジンを手掛ける株式会社マーズフラッグ。様々な検索エンジンがあるが、検索したページをクリックして、そのサイトの出来栄えにがっかりしたユーザーも多いのではないか。クリックせずともサイトの画像を表示してくれる、いわゆる「見える検索エンジン」がマーズフラッグである。創業者である武井信也社長にお話を伺った。
武井氏や同社については、多くのメディアがその魅力について語っている。創業のきっかけにもなるインターネットの前身となるシステムとの出会いを少年時代に経験した武井氏は、当時から天才少年としてメディアを賑わす。学生時代には大手テレビ局からの依頼で、番組内のアトラクションをコンピューター制御するシステム構築などを手掛けていた。その一方、自宅にはデータ通信専用の電話回線を引きこみ、独自ネットワークの構築をも手掛ける。武井氏曰く、「当時日本国内のデジタルデータが一番多く流通していたのは我が家だったかも」まさに研究所並の設備を整えた早熟の起業家がここに存在していた。
マーズフラッグの誕生もこういった武井氏の環境が産出した自然の流れだったのかも知れない。「膨大なデータを保有するようになったが、どこに何があるのかわからない。データが見えないと困る必要に迫られたのがきっかけ。」と誕生秘話を語る。データ閲覧、整理用にと、インタプリタ言語をフルアセンブラ(機械語)で開発した伝説もある。
だが、武井氏はすぐに起業と云うわけでなく、両親や先輩の助言によりサラリーマン経験の必要性を感じる。入社したのはイベントなどの企画運営会社。後に、この会社は上場するが当時珍しかったスーパーコンピューターとパソコンでのネットワークシステム構築を試したいという気持ちから入社する。そして、この会社のIPO直前までの成長過程を「目の前で見た」ことが現在の経営観に影響を与えることとなる。
しかし、武井氏は経営観というよりも人生観を大事にしているようだ。 研究開発型企業の宿命として、膨大な投資が必要となる。「日本発の本格的なものを生み出そうとすれば技術基盤がないと絶対に勝てない」と話す。また「モノ作りには工夫や付加価値、品質の高さが求められる。良いものを世に出そうとする熱意や志がないと事業は長くは続かない。」
同社の検索エンジンを導入する企業は驚くような名だたる大企業が多い。最後に武井氏にこの状況についてどのように捉えているのか質問した。「非常に感謝している。また先輩の力をお借りしながら事業を進めたい。」マーズフラッグの夢に一緒に乗る企業が増えてゆくのは、同社の持つ技術力と熱意、そして武井氏の人柄ゆえであろう。


