大胆にチャレンジする
トップ営業マンの座を捨てて自ずから起業する人は多いであろう。しかし、営業と経営は違う。そのため挫折する人も多い。中小企業向けのビジネスホンやOA機器の販売商社であるレカム株式会社。代表取締役社長兼CEOの伊藤氏はトップ営業マンから起業し、同社を上場に導いた人物。成功の秘訣は一体何なのか?営業と経営についてお話を伺った。
伊藤氏の起業への強い意志は既に幼少時に築き上げられていた。小学校時代は言ってみればガキ大将。周囲をひとつに纏め上げるチカラを既にこの時に発揮していた。他の人と違うのは、この時点でおぼろげながら起業という二文字を意識し始めたことに尽きる。営業の才能を発揮したのは就職した販売商社。当時はまだ年功序列の雇用形態が残る中、就職した会社は完全な実力主義。年齢も学歴も関係ない。すべては己の力のみという、今では漸くスタンダードになった実力主義の環境の下、伊藤氏はビジネスの世界で頭角を現す。わずか2年でのマネージャー昇進。その後支店長へと伊藤氏は成功の階段を駆け上がる。この間、伊藤氏は日常業務に勤しみながらも独立に向けて具体的に考え始めたと話す。居心地の良い環境を捨てて、あえて苦難の道に挑むとは考えなかった。強い信念と、経験が後押ししたのであろう。きっと成功のイメージが描けていたはずに違いない。
そうして独立起業した伊藤氏だが、当初は思わぬ困難にぶつかった。今までの経験通りに商品を売っているのに売上が上がらない。この時初めて会社の知名度がないことで信用性が欠如し良い商品なのに売れないという事態に気付いたと語る。ただ、結果的にこの経験が現在のレカムの礎を築いた。伊藤氏は斬新なアイデアを苦労と引換に手にすることになる。「中小企業向けのOA機器マーケットは将来性のある業界。独立する人も増えてくる。きっと自分と同じ苦労をするだろう。」結果、販社のフランチャイズを実現する。いわば営業のFC、他にないマーケットの開拓。外から見える飲食店などのFCと違い、営業のFC化は外からは見えない。営業方法はマニュアルがあってもないようなもの。加盟店をひとつに纏めるには同社の理念が大きく後押ししている。
伊藤氏が一番大事にしている経営観のひとつに何をやるかという志が重要だと語る。同社の社是には6つのコトバがある。そして理念をつくることの重要性を先輩経営者から学んだことも明らかにしてくれた。人がやらない常識、夢を叶えるために人生を謳歌することを日常的にきっかけを見つけることを経験してきたと語る。同社は中国大連から日本へのコールセンターを開設した。また現在は通信機器製造メーカーも傘下に加え、製販一体型の新たなビジネスモデルにも挑戦している。常識を覆す。ベンチャー経営者や起業家が学ぶ素地が伊藤氏の経営観から垣間見ることができる。


