最優先すべきは社員にとってプラスになるか
化粧品や石鹸、医薬部外品などの受託製造(OEM)を手掛けるサティス製薬。最大の特徴のひとつに、主に自社で開発した製品をメーカーに提案して製品化する研究開発に重点を置いている点が挙げられる。この100%自社開発で現在取引企業は6000社を超える。同社はこれまで何千商品をマーケットに送り出し、300品目の処方箋が常備され製造技術のスピード化を担う一方、これらの実績から皮膚に対する各種データを保有する強みを持っている。こうした研究開発から見出された技術の結晶が、OEMでは珍しい「小ロット生産」を可能にしている。
同社代表の山﨑氏がサティス製薬を創業したのは平成9年3月。株式公開も視野に入ってきた。成功の秘訣と経営観を中心に山﨑氏にお話を伺った。
氏が会社経営において最優先している事項は、冒頭タイトルにもあるように社員とのコミュニケーションである。同社のHPを拝見すると良く解るのだが、社員との交流の場面や自由度の高い職場であることが社員の口から語られている。自由度の高さも、よく陥りがちなメッセージの読み間違いも同社には起こっていない。社員一人一人が「自由度」の意味を自ら考え、実践する姿がそこにはある。氏は「社員を完全に信じる」ことが信頼に繋がっているのではないかと分析にする。それは、山﨑氏への信頼、会社への信頼、社員同氏の信頼、そして取引先への信頼へと波及する。徹底した社内ディスクロージャーもそのひとつである。氏は会社を私物化させてはならないと言う考えを徹底的に宣言する為に、自身の給料を社員に開示している。また、会社の財務状況を社員一人一人に把握するための財務資料配布も重要なコミュニケーションとなっている。財務資料の社員間共有は金銭感覚が社員と近くなり、経営自体がし易くなるからだと語る。同社の多くの社員は研究開発に従事する。そのため、給与や賞与の評価項目に成果だけではなく努力目標に対しての結果も加味する。なかなか、ここまで社員の事を考え実践している企業経営者は少ないのではないか。一般的に働く側にとって、自分の生活や将来を考えてくれているのだと云うメッセージを経営者から貰う機会は会社の規模が大きくなればなるほど希薄化するであるうが同社は今尚、賞与は社長自ら手渡しを貫いている。
「社員の人生におけるかなりの割合を会社として預からせてもらっている。だから社員が豊かになり、幸せになるような経営をするのは当然」と語る。会社として常に成長を求めていたいと語る山﨑氏。こうしたベクトルに賛同している社員の力も常に成長しているのであるに違いないと考えるのは想像に難くない。


