No Pain No Gain
読者の皆さんの中にも、こういった経験がある方は多いのでは無いだろうか。購入するものは決まっていても欲しいデザインが無い、または欲しい機能が無い。こうした「ほしいものをカタチにする」商品開発支援を行う株式会社エレファントデザイン。そんなユーザーの夢を叶えるWEBサイト「空想生活」を既にご存知の方も居るはず。サイトを覗いてみると実に面白い。洗練されたデザイン、今までに無い機能、そしてこれらの欲しいものをカタチにする購入可能価格も踏まえたユーザーの意見が結集している。空想生活から創出された商品は実に20種類程度にも及ぶ。そんな会社を率いる創業者である西山浩平氏にお話を伺った。
創業のきっかけは外資系大手コンサルティングファームでマルチメディアプロジェクトに於ける新規事業に携わったこと。新商品のマーケティングやビジネスプランを企画する中、技術者とユーザーの間にかなりのギャップがあることに気付いたと語る。氏はこの谷間の橋を創ることで商品開発における送手と受手双方に行き来することが出来ると考え、エレファントデザインは誕生する。
ほしいものをカタチにするということは、商品に携わるプレイヤーの架け橋だけでなく未来への架け橋にも連なっていることを氏は語る。結果として空想生活のコミュニティ参加者は受動的でなく、能動的。自らの意志で自ら動くユーザーの意見が交錯する。興味深いのは参加者の顔。企業勤務で商品開発や提案営業に従事する30代後半の働き盛りの男性が多いとの事である。そこには商品開発への強い情熱がある。
「No Pain No Gain」 西山氏が大切にしている経営観である。手にしたいもの、実現したいことが決まっていれば、どんな辛い苦しみにも耐えられる。 Painを感じている内は、本当にやりたい事、やりたい方向を向いていないのかも知れないと語る。同社の手掛ける事業は単なる商品開発支援ではない。商品化によって齎される幸せを数多くの人に享受させることが出来るか否か。そういったアイデンティティーが同社事業には存在するのではないか。
商品化には時間も大きなファクターとして存在するが、氏は「状況に至った時の自分を観察する」ことで遣り抜く大切さを伝えてくれた。 何の為の起業か。ベンチャー経営者の端くれの私が西山氏から学ぶところは多い。良いものは真似するのが信条の節操の無い私には大きく響く発言の連続だったように思う。同社の空想生活を活用してベンチャービジネスを興す人が出て来れば非常に面白い。また世の中に送りだされる商品が、何らかの意義をもって出てくることを我々はよく観察する必要があることを同社ビジネスから学んだ気がする。


