命令は絶対しない
ITに疎い素人の私でも、インターネットの世界が面白く感じ始めたのは、こういったビジネスが誕生したからかもしれない。セカンドライフ。今や大企業が続々と参入するインターネット上の仮想世界だ。そこには3Dの空間が広がり、建物・人物など様々なコンテンツを自由に作成出来る。そのセカンドライフ参入コンサルティングを手掛けるソーシャル・メディア・カンパニーであるメルティングドッツ。創業者である浅枝氏はセカンドライフがもたらす大きな可能性を瞬時に読み取り、3Diビジネスに早期参入を果たした。今や大企業との提携を次々と実現し、業界のリーディングカンパニーへと駆け上る同社を率いる浅枝氏に成功の秘訣、経営観を伺った。
浅枝氏の創業は、自身が得意とする英語・ゲーム・コンピューター・デザインといったセカンドライフの参入に必要な要素を全て事前に揃えていたことをきっかけとしている。そんな浅枝氏は就職することはリスクが高いと感じていたようだ。例えば就職には転勤が伴うこともある。そうなれば購入したマイホームも無駄になる。自分の住む場所、働く内容は自身で決めたかったと語る。またこれらのように人生を自分でコントロールすることで、何が起こるか、何がしたいかがある程度想定可能になると考えたようだ。人がやらない、新しいことが好きで、誰も出来ないことをやることに価値を見出している感覚も影響していると自己分析している。
経営上、意識していることは2つ。仕事に関しては「臨機応変」と、凝り固まらないスタイルを貫いている。「3Diの業界は新しく先が見えません。だからこそ面白い。ドッグイヤーの如く目覚しく進化する環境では毎回対応策が違ってきます。当社は何事にも柔軟に対応できるように意識をしています。」と語る。もうひとつは、自由度の高い職場=個々の裁量に任せる現場へのこだわりだ。取材したオフィスは各自が好きなカタチで仕事に打ち込んでおり、デスクの配置も大企業にある縦割りではなかった。役職も同社には存在せず、遊ぶように仕事をする環境づくりが自発的に為されている。浅枝氏曰く、「遊ぶように仕事をすると、精神的には永遠に疲れない。会社は個である社員にスペースを提供するだけで、そのスペースを利用し会話や情報共有などのコミュニケーションを取れば良いと考えている。命令は絶対しない。各人の裁量で最高のパフォーマンスを挙げれる手段で妥協しない環境を作れば良いからだ。」
個性を重んじると同時に成長出来る環境を強く意識する浅枝氏。企業経営のあり方が問われる今、氏の経営観が新鮮に写る。特に大企業で働いている人間にとっては、斬新で非常に興味深いはずであろう。


