Simple is best 目的、施策はシンプルが一番。
東証一部に異例のスピードで株式公開し、今尚躍進し続けるシステム会社があると某証券会社の部長から聞きつけ早速伺った。株式会社シンプレクス・テクノロジーは金融機関の収益基盤に関わる最先端の金融工学を用いたシステム開発を展開する金融ハイテクベンチャーだ。その同社を率いるのが代表取締役社長の金子英樹氏。氏は元々大手外資系投資銀行のトレーディング部門のバイスプレジデントとして同社システムを統括。10名ほどのメンバーであったが、当時の大手都市銀行等のシステムをはるかに凌ぐ機能を誇るシステムを開発していた。一方、当時の日本の金融機関は海外のソフトウェアを使い何百億円という莫大なシステム投資をしていた。しかしながら、そのカスタマイズは金融機関にとって満足のいく機能を提供するまでに至っていない現実を知る。氏は同部門のメンバーを中心に日本の金融機関の再生を支える為に同社を設立した。折りしも、金融不況で大手証券会社の山一證券が自主廃業を選択した時代でもあった。
今や同社の主力事業であるディーリングシステムやインターネット外国為替証拠金取引システムは、大手証券会社やネット証券会社に採用されデファクトスタンダードになりつつある。特に、同社の展開する個人投資家向けトレーディングツールの需要が高まりをみせている。事業開始当時は株式や為替の世界のサービスを享受する個人投資家は少なかった。しかし氏は、ビギナーはすぐに金融商品をキャッチアップする。そうなると金融システムの全体の底上げが必要となると考えた。7年11ヶ月と言う異例のスピードで東証一部に株式公開を果たす理由が隠されている。企業が成長する為に経営者としての読みが大事だと氏は語る。読みが甘いと、事業に修正が生じ迷走する原因にもなるからだ。
増収増益を続ける成功者の秘訣は一体何なのか。氏に経営観を伺った。「利益を長期に渡って最大化させる。」質問に瞬時にこう答えてくれた。氏は続ける。「自己分析を創業時には徹底して行った。自分の強みは交渉力や提案力、そして商談の機微を読み取る力。」また、新規事業をゼロから1にするのが経営者の役目だと。実際、同社で新規事業を立ち上げる際は必ず、金子氏自身が新規事業の最高責任者として名を連ねる。現場の責任者であることが経営のスピード感となって如実に現れている証拠であろう。
氏は又興味深いお話をして下さった。「ビジネスは誰とやるかが一番大事。ビジネスの立上げ時に共鳴できる仲間と出会えたのは本当に良かった。」と語る。キャリアパスを描く、学生やビジネスマンにとって本当に大事なことは何かを考えさせられる一言である。むろん、ベンチャー経営者である私にも言えたことであるが。

