考えることを止めない
自動車を所有した時、意外と車輌管理に煩わしさや不安を覚える方は多いのでは無いだろうか。自動車のありとあらゆる車輌管理を行うのがニッポンメンテナンスシステムだ。その取引先は一般企業から中古車販売店、ガソリンスタンド、整備工場と多岐に渡る。その業態に合う協力関係を構築し維持することで同社は全国整備工場に約5000社のネットワークを有する規模になった。創業者である伊藤光治氏にお話を伺った。
元々レンタカー会社勤務の営業マンだった伊藤氏はある時、ビジネスのヒントを掴む。当時、勤務するレンタカー会社の取り扱う自動車リースは高額な委託料を顧客に要求していた。しかし自社で扱えるようにすれば、顧客に低価格で提供出来るのではないかと。ただこれが直に起業に結び付くと言う訳でなかった。まず、勤務先の会社にメンテナンスリースの需要や事業化を提案、説得する日々が続いた。気がつくと1年半。事業化のプランもニーズも確信していたが説得の甲斐無く、では自分でと創業する。氏の読みは当り、創業2年目にして黒字。事業は順風満帆そのものだった。当時を振り返ってもらうと、意外な言葉を口にした。「当時勤めていた会社はビジネスプランをわかってくれなかった。だから創業時は見栄を張りたいだけでした。」実に正直な人柄を表す一言だと私は感じた。ニッポンメンテナンスシステムは今や株式公開も十分狙えるポジションまで成長した。しかしながら、同氏の目線はこれとは別のところにもあるようだ。それは社会貢献や社員の仕事への充実感を充足させることに、より高い意識を持つ様になったことだと話す。「中古車をもっと安心して購入して貰いたい。」「自分のしている仕事が社会の役に立つ感覚が出てくる。」など、ある種の経営理念がどうやら同氏を支配しているようだ。実際、氏はこう続けた。「お金のことは考えたくないんです。」堅実で広い視野を持つ人柄は、一体どのようにして生まれたのであろうか。
伊藤氏のビジネス観は「為せばなる」がベースになっている。常に実践する意識を持つことで思考が出てくる。だから決して考えることを止めない。はちゃめちゃな発想は大歓迎なのだそうだ。そこから生まれる潜在的なパワーを知っているからこそ、こうしたビジネス観は形成されたのであろう。ベンチャー企業とは今までに無いものを生出すだけでなく、既存の物事に新しい角度でチャレンジ・アレンジすること。またその効果が絶対でなければならない。と語る。今後のニッポンメンテナンスシステムの動向に注目だ。

