金融機関の動向が慌ただしい。
サブプライム問題に端を発した投融資の見直しは、各メディアで報じられて久しい。実質、サブプライムの煽りを受けて不動産会社や不動産へのノンリコースローン・ウィズリコースローンも引き締めに掛かっている。そして相次ぐ国内不動産ディベロッパーの破綻。 レイコフ、ゼファー、アーバンコーポレーションなどたった1年前は元気だった企業が次々と幕を閉じている。
一方、ローンの出し手であった投資銀行をはじめとする金融機関は既にサブプライム問題から決別を図るべく新たな投融資先を模索し始めている。特にバブルを経験した国内金融機関の動きが速い。
先日、弊社顧客企業であるITベンチャーの社長から第三者割当増資を検討しており、ついては候補先を幾つか紹介して欲しいと頼まれた。このベンチャーの概況は大まかにいくと次の通りである。既に3度のラウンドを経験済みであるが、前回のラウンドからは約2年ほど期間が空いていた。肝心の実績はと言うと、計画比80%で未達。しかしながら、着々と顧客基盤を増やしており今回のラウンドでの調達資金で人材確保及び営業強化が叶えばIPOも視野に入ってくる。
こうした企業であっても、ここ2年ほどは投資環境は厳しかったと同社社長は語っていた。ちなみに投資引受先は名だたる有名VCであった。私は、知り合いの金融機関(VCでなく、証券化アレンジになどを主力にしていた金融機関)に早速アポイントを入れた。予想外だったのは、『是非、お話を伺いたい』という言葉。
同社部長は、『サブプライムの問題で、不動産から新しい収益源の確保にシフトしている。ベンチャー投資は有力な商売になる』と語った。
それから、数日後には当事者を引き合わすことになり、瞬く間にデューデリに入る旨の連絡を受けることになった。
思えばここ数年、十把一絡げにベンチャー企業を見る目があったが、こうした金融機関の積極姿勢とベクトルの修正の速さで正常なベンチャー投資が行われることが期待される。
また補足ではあるが、知財や特許を保有するベンチャー企業への投融資姿勢も私が銀行に居た時とは随分違ってきているようだ。農業ベンチャーへの投資も、本格化されつつある。投資を検討している経営者は、こうしたマーケットの変遷をすばやく察知していないと、タイミングを逸することになる。環境の変化に耐えるのも凌ぐのもタイミングは投資の重要な要素でもある。


