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掲載日:2008年06月12日 13:39

理化学研究所 多能性細胞から外胚葉への分化を決定する遺伝子を解明

 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、脊椎動物の初期胚の発生過程で、神経細胞や皮膚表皮細胞などを生み出すもととなる外胚葉細胞の分化を決定する因子を発見しました。発生・再生科学総合研究センター(竹市雅俊センター長)細胞分化・器官発生研究グループの笹井芳樹グループディレクター、笹井紀明研究員を中心とした研究グループによる成果です。

 研究グループは、アフリカツメガエルや哺乳類の胚性幹細胞(ES細胞)などを用いて、神経細胞の分化過程を研究し、その分化を試験管内で誘導できる実験系を確立してきました。しかし、初期胚の細胞やES細胞などの多能性細胞から神経細胞へ分化する過程で最初に生まれる外胚葉細胞(神経や皮膚の共通前駆細胞)の分化がどのように制御されているかは、これまで明らかになっていませんでした。

 研究グループは、まずアフリカツメガエルの系を用いて、多能性細胞から外胚葉への分化を促進する外胚葉決定因子を機能スクリーニング法で同定し、それが「XFDL156」というZn(ジンク)フィンガー型核内タンパク質であることを明らかにしました。XFDL156は外胚葉に特異的に発現し、その分化を選択的に促進します。逆に、XFDL156の機能が阻害されると、外胚葉の発生が起こらないことを突き止めました。さらに、哺乳類のES細胞からの外胚葉分化の過程でも、XFDL156相同因子が同様の働きをしていることも明らかにしました。

 今回の研究成果は、脊椎動物の初期発生機序の大きな謎であった外胚葉形成の分子機構を初めて明らかにした点で非常に重要です。同時に、この研究を応用することで、ES細胞などの多能性幹細胞からの外胚葉由来細胞(神経系細胞など)へのより選択的な分化誘導法の開発が促進されることが期待できます。

 本研究成果は、米国科学誌『Cell』(5月30日号)に掲載されます。

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  独立行政法人理化学研究所   発生・再生科学総合研究センター   細胞分化・器官発生研究グループ   グループディレクター 笹井 芳樹(ささい よしき)   
  

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